2017年8月8日火曜日

BIG ISSUE(ビッグ・イシュー)を買いました

ビッグイシューを買った。
この雑誌はホームレスが自立して生活していくために創刊された雑誌。
彼らは生活資金を得るためにこの雑誌を仕入れ・販売し、
そのマージンが収入となるしくみだ。
イギリスで創刊されたものの日本版だ。
詳細は下記サイトをチェックして欲しい。

ビッグイシューとは

愛知県内でも名駅や栄などで販売員が街角に立って販売している。
この売り子(と言っても50代くらいのおじさんであることが多い)が手書きの看板を出してじっと立っているのを随分と前から目撃していた。
しかし、当初は何をしているのかよくわからなかった。
何やら「BIG ISSUE日本版」というミニコミ誌を売っているらしい、
ということは看板を見て分かった。
しかし、どんな雑誌なのかよくわからないし、何で路上で雑誌を売っているのか?
と疑問に思っていた。
そもそも、いつ見ても無言で立っていて
誰かが買っているところを目撃したことがない。
変な宗教団体なんだろうか?なとどいぶかしく思っていたのも事実だ。

何年か前から新聞でもこの取り組みが何度となく取り上げられて、
その記事を読んでからその活動を知り、
最近になって思い切って買ってみた。
多くのビジネスマンが通り過ぎる都会のど真ん中で
じっと立っている売り子から買うのは少々勇気がいる。
1冊300円。
値段の割にはページ数はそれほど多くない。
昨今の広告ばかりのフリーペーパーや週刊誌に慣れている人にとっては
これだけ?という印象を持つ人も多いだろう。

ビッグイシューは最初にも書いたとおり、
ボランティアとかチャリティーではなくて
ホームレスが自立して生活できるよう収入を得るための手段として創刊された雑誌だ。
だから、売り子にもっと商売っ気があってもいいのではと思う。
売り子はたくさん売れば収入が増える。
1冊売ると160円が売り子の取り分らしいので、
10冊売れれば1,600円の収入となる。
しかし、どれだけ多く売れても1日50冊も売れることはないだろう。
仮に30冊売れたとすると4,800円の収入となる。
ただ、積極的に売ろうという様子は全く見えないので、
この活動でどのくらいの成果が出るかは未知数だ。
雑誌やこの活動の知名度がイマイチなので
商売っ気を出して呼び込み販売をすると誰も寄ってこないという説もあるが、
今のようにただじっと立っているだけでも商売にはならない。
この活動を知っている好意的な方しか買って行かないだろう。

他に問題と考える点は
雑誌自体の魅力だ。
大手出版社が刊行している多くの雑誌は
雑誌単体では赤字のものが多い。
それだけ雑誌事業は収益を得るのが難しい。
そんな中でこの事業を立ち上げどこまでやっていけるのか。
大手出版社が刊行している雑誌はそれぞれ魅力ある誌面で固定購買層があるが、
果たしてビックイシューはどうか。
創刊の目的がホームレスの自立のためということなので、
雑誌編集の方向性はよくわからない。
個人的にはちょっとイマイチな印象だ。
魅力ある雑誌でなければ固定購買層をつかむことはできないので、
発行する側の努力も必要と思う。

あと、私がよく行く名駅では
旧松坂屋から大名古屋ビルへ渡る名駅側の信号角が販売ポイントだが、
毎日いるわけではない。
それも販売している日でも1日中いるわけではない。
これでは買おうと思っても販売員となかなか遭遇できないということが起こる。
販売員は50代が多いらしく、
体調の問題もあって毎日長時間の販売は難しいらしい。
販売する曜日や時間はホームページに載っているので
予め調べておく必要がある。

ホームレスが仕事を得るのは実は難しい。
それは住所・電話番号が無いからだ。
働こうと思っても、
履歴書に住所や電話番号が書けなければ一発でホームレスと分かって
採用してくれない。
ホームレスになる人はルーズで仕事が長続きしないという考えを持つ人が多いからだ。
好況の頃はホームレスでも立ちんぼ(日雇い仕事)で日当を得ることもできたが、
これだけ不況だとそんな仕事は無い。
たまたま仕事があっても、書面での契約をしないまま働かせるようなところだと、
仕事が終わった後に「お前なんか雇っていない」と給料を払ってくれない事件も
起こっているとか。

一旦ホームレスになるとそこから脱出するのはかなり難しい。
いろんな理由でホームレスになる人がいる。
誰かの罪をかぶってホームレスになった人や、
家族に迷惑がかからないようにするために家を出てホームレスになった人も。
借金の保証人になっていたためにホームレスになってしまった人もいる。
自立したいという人には何らかの支援をしないといけないと思う。
それを解決するための一つの手段として始まったのがビッグイシュー。

これからどのように発展していくか見守っていこうと思う(もちろん、今後も興味深い記事の号は購入するつもり)。