2011年7月17日日曜日

高野悦子の命日

そういえば、6月24日は高野悦子の命日だった。
今まで意識したことはなかったけれど、
最近たまたま「二十歳の原点」をさらっと読み直したのでなんとなく覚えていたのだ。

私がこの本と出会ったのは19歳の時。
大学の教職課程の教育心理学という講義で教授から紹介された。
読んでみて結構衝撃的だった。
私が生きている時代とは随分世相が違うから何とも言えない部分も多いけれど、
彼女が書いたのとちょうど同じくらいの年齢でこれを読んだから、
共感できる部分もあった。
もし、私が下宿して大学に通い、
当時のような世の中だったら何を考えどんな生活を送っていただろうか、
と考えたものだ。

この日記が書かれてからすでに40年。
出版当時はかなり脚光を浴びたというが、
今ではかなり忘れ去られた存在なんだろうなあと思いきや、そうでもなかった。
ネットでちらっと検索してみたところ、
熱狂的かどうかは分からないが、
明らかに私より若い人で命日を意識した行動をしている人がいた(ブログの記事による。ただし、それらは今年のものではない)。
実家のあたりを散策してみたり、
墓参りしてみたり、
死んだとされる場所へ行ってみたり・・・。
私はさすがにそこまではしないが、
実家の場所を突き止めるなんて・・・と思ってしまう。
そう言えば、15年くらい前に上高地からの帰りの松本電鉄の車内で
登山の服装をした二十歳くらいの女子が「二十歳の原点」を読んでいるのを見かけて
ドキッとしたことがあったなあ。

「二十歳の原点」は出版社の編集者や父親が手を加えて刊行したと言われており、
彼女の筆によるものではない部分があるようだ。
しかし、多くの人の心を捉え重版を重ね、今は文庫版も出ているというこの本。
読んでみる価値はある。
これを読んで、何を思い、何を考え、自分はどうするか。
できるだけ後悔のない人生にしたい。