2013年8月25日日曜日

第53次見晴台遺跡発掘調査 市民見学会(現場説明会)

今年も見晴台遺跡の発掘に参加した。
今日は市民見学会(現地説明会)の日だったが、あいにくの雨・・・。
私がこの遺跡の発掘に参加するようになってもう20年以上だが、
市民見学会の日に雨が降った記憶がない。
本来なら雨だと中止にするのだが、遺跡の中にある資料館内にて説明会を行った。
今回は新聞に記事が出ていることもあって当日に問い合わせの電話が多数寄せられたためだ。
当日の参加者は雨と言うこともあって50人くらい。
例年より少なめだが、この雨なのに50人も集まった、とも言える。
 
 
今年の目玉は勾玉形石製品と臼玉。
しかし、見学会の3日ほど前にレアなものが発見されたため
俄然そちらが注目株となった(しかし、それは直前に発見されたため事前に告知はしていなかったが)。
レアなもの・・・それはB29の垂直尾翼の先端と見られる部品だ。
私はその部品の一部分だけが土中から出ている状態のときに触ったが、
かなり柔らかい銀色の鉄板だった。
錆びは無いが、航空機のボディにこんな柔らかい板は使わないだろうと思っていた(私は内装かと考えていた)。
しかし、私が発掘に参加していない日に掘り上げたらしく、
そのとき全体の形が明らかになった。
そして、その板には「○○EING」の文字のシールがあったそうだ。
これは「BOEING」では無いのか?と暑くてうだっていた発掘現場が俄かに活気に包まれたらしい。
ということで、
今年の見学会は前半がK学芸員による全体説明&勾玉形石製品等の説明、後半がB29関連および、
戦時中にここに存在していた大隊本部や高射砲部隊、名古屋市内に墜落したB29についての話などコアな話となった。
考古学というと縄文・弥生時代を思い浮かべるが、 土の中から発見された遺物を研究するのは考古学の範疇に含まれる。 だから、B29の部品も考古学としての研究対象となりうる。 ここにはB29は墜落していないのに、なぜ部品が出土するのか? 戦時中にはここに大隊本部や高射砲陣地があり、それと関係しているのではないか? と考えて行くと面白い。 実は、瑞穂公園あたりに墜落したB29の尾翼を戦利品としてここで展示していたらしく、 終戦後に慌てて埋めたものの一部らしい(終戦後1週間で埋めたという証言が伝わっているようだ)。 昨年も出土した航空機用のジュラルミンはもっと硬くて厚さがあったが、 今回のは違う。 しかし、今回のには文字がある。 いろいろ調べて行くと面白いことがわかるかも知れない。