2012年11月11日日曜日

エル・グレコ展へ行ってきた


エル・グレコ展へ行ってきた。
美術展を目的に遠征したのは今回が初めてだ。
私にとってそれくらいこの企画展が貴重だと思えたからだ。
エル・グレコ生誕400年記念ということで企画された展覧会。
これだけの規模は今後国内では当分ないだろう。
場所は大阪・中之島にある国立国際美術館。
この美術館は元々千里の万博公園にあったのだが、老朽化と狭隘化が激しくなったために
中之島へ移転新築した。
建物は1階部分はエントランスホールのみで、展示室は全部地下にある変わった構造。
今回の企画展は地下3階の展示室で開催されている。
私は平日に行ったのでそれほど混雑しているというわけではなく
ゆったりと観ることができた。
グレコの描いた本物の絵が目の前にある。
美術印刷されたキレイな図録の絵と本物とはやっぱり違う。
細かい筆使いもある程度見える。
そして、絵を飾る額縁もまた芸術品だ。
グレコが活躍したのは信長とか秀吉が天下統一の戦いに明け暮れていた頃だから、
もう相当前。
絵の完成と同時に取り付けられたわけではないだろうが、
相当古いが額縁が取りつけられている。
これがまた作品を引き立てるのに一役買っていると感じる。

作品を観ていてかなりがっかりしたことがある。
それは、作品に当てられたスポットライトが強すぎて、
作品の一部が光って観えなかったことだ。
全ての作品では無いが、スポットライトの光が反射して
どの位置から観ても観えない部分があった。
私の身長だと、絵の2m~2.5mくらいの高さの部分が光って観えなかった。
かなりかがんだり斜めから観たりしてもダメだった。
遠くから観たら光らないが、それでは絵の細かい部分が全く観えない。
学芸員はこの展示状況を確認したのだろうか?
国立の美術館なのにこの状況は・・・と驚くばかりだ。
こういう状態にならないように展示するのは当たり前なんだが・・・。
と残念なことはあったが、グレコの絵を堪能できて満足できた。
その後、せっかく大阪に来たのだからといろいろ巡って観ることに。
まず、吉兆の美術館である湯木美術館へ。
ここは春と秋に企画展を開催しているときだけ開館しているようだ。
数寄者好みの名物が多数展示されている。
主に関西の名だたる数寄者の手にあった名品が展示されていたが、
名古屋の八木兵と関戸家、織田○○○伝来の逸品もあった。
その後、ボンドで有名なコニシの本家(旧小西家住宅:国登録有形文化財)の前を通って道修町のくすり資料館と
少名彦神社、大林組資料館、大阪市近代美術館準備室を見学。
最後に法善寺にお参りして帰途についた。

しかし、大阪日帰りするのに新幹線を使わない人って少ないよな~。
今回の往路は家~石山(滋賀県)→京阪石山~三条京阪→三条~中之島
というJR~京阪を使うルートで行き、
帰りは近鉄特急。
京阪の京津線に乗ってみたかったという理由による。
そのせいで大阪に着くのが1時間くらい遅れたけれど、
京津線の小さな車両は面白かったなあ。
浜大津から一時的に路面電車みたいになるし。
比叡山や石山寺などにもまたゆっくり来てみたい。