2012年7月8日日曜日

牛川人は存在したのか?? 牛川人骨って旧人の骨?

 牛川人は存在したのか?
私たちの世代は高校日本史で牛川人は旧石器時代の旧人と習った。
国内で旧人の人骨は他には出土例が無いので、出土した牛川人骨は国内最古級ということも習った。
しかし今、この骨が本当に人間の骨なのかが微妙な立場に立たされている。
もしかすると、教科書に載っていたことが嘘になるかもしれないという重大なことだ。
数か月前に出土地の豊橋へ行った際に牛川人骨が出土した場所の近くへ行ったので、
せっかくだからそこへ寄ってみた。
そのとき、このことをふと思い出したので書いてみる。
牛川人とは、1957年と1959年に愛知県豊橋市牛川鉱山で発見された上腕骨と
大腿骨の化石人骨のことを指している。
これは、東京大学名誉教授鈴木尚によって中期更新世の旧人の人骨とされたが、
その後、形が人骨らしくないということで、
近年では獣の骨ではないかと言われている。
ただ、この骨は東大が保管しており
それ以上の検査が為されていないため本当はどうなのかが謎に包まれている。
出土場所は豊橋郊外の小高い丘陵地帯で、
今では住宅地の中にある。
テニスコートより狭いくらいの面積の公園が出土場所として保存されていて、
石碑や案内看板もある。
しかし、
この人骨の信憑性が疑われてから豊橋市はこれを観光資源からは外していて、
すっかり忘れ去られた存在となりつつあるようだ。
豊橋の新聞社である東愛知新聞の記事によると、ナウマンゾウの骨らしいと書いてある(「牛川人はどこへいく?―見直される日本人の起源―」 連載 : 2001年1月21日~28日)。


高校を卒業するとき、
日本史の先生が「将来この教科書に書いてあることが嘘になる日が来るぞ」
とおっしゃったのを思い出した。
10年ほど前には東北地方の遺跡でねつ造事件があり、
そのときも教科書に掲載されていた遺跡のいくつかが嘘だったことが分かってショックだった。
この牛川人も嘘なのか・・・。
地元愛知県出土のものだし旧人の人骨であって欲しいが、
最新の技術で真偽のほどをはっきりさせて欲しいと思う。