2012年6月3日日曜日

「尾張氏・志段味古墳群をときあかす」を観てきた(名古屋市博物館)


名古屋市博物館で開催中の「尾張氏・志段味古墳群をときあかす」を観てきた。
あまり知られていないが、名古屋市守山区の上志段味の辺りは古墳が集中する地域だ。
それも、古墳時代の各時代区分のものが存在している貴重な地域だ。
そこは「志段味古墳群」と呼ばれている。
志段味古墳群の東端にある東谷山山頂には
古代に尾張を統治していた「尾張氏」の祖先を祀る尾張戸神社がある。
さらに尾張を代表する多くの古墳が山頂・山麓に分布している。
この古墳を観る限り、この地域にはかなりの権力者が存在していたことは明らかだ。

この地域では今なお発掘作業が続いており、
これから新たな発見があるかもしれない。
私は生まれも育ちも愛知県ながら志段味古墳群についてあまり知らない。
発掘の現場説明会も何度か開催されているのだが、
我が家から遠いということもあって中々行けない。
ということで、勉強を兼ねて観に行ってきたのだ。

名古屋市博物館による志段味古墳群の解説は次の通り。
名古屋市守山区上志段味に展開する『志段味古墳群』では、
ここ7年間あまりの発掘調査によって、白鳥塚(しらとりづか)古墳の墳丘形態が
大和王権の大王墓と同じであることや、中社(なかやしろ)古墳・
南社(みなみやしろ)古墳の古式の畿内系円筒埴輪、西大久手古墳で出土した
東日本最古級の巫女(みこ)形埴輪・馬形埴輪など、重要な発見が相次いでいます。
それらの成果からは時代の最新情勢に素早く対応する先進性と、
近畿の大和王権との強い結びつきがうかがえ、『日本書紀』や『古事記』に
尾張を代表する豪族として登場する、〝尾張氏(おわりうじ)〟とイメージが重なります。
本展では、この志段味古墳群に属する古墳とその出土品を中心に、
尾張を支配した古墳時代の豪族の動向を追っていきます。
また尾張の古墳時代の最盛期である5~6世紀に発展をもたらした、
幅広い地域間交流のようすについてもご紹介します。
古墳とそれらをとりまく古代尾張の時代背景を通じて、
古代東海の大豪族“尾張氏”のイメージを浮かび上がらせていきます。

考古学好きな人ならきっと満足できる展示だ。
尾張氏についてこのような形で企画展が開催されるのは多分初めてだと思うし。
もちろん図録も買った。
オススメの企画展である。