2012年3月18日日曜日

熱田神宮能楽殿の現在の様子


2006年10月に閉鎖された熱田神宮能楽殿。
名古屋能楽堂ができるまでは、名古屋地域における能楽の中心施設として
長い間大変重要な舞台だった。
現在活躍中の能楽師の多くはここが初舞台だという人が多いはずだ。
私が稽古に通っている笛の流派の現家元もここが初舞台だという。

閉鎖の理由はいろいろ噂されているが、
今はそれよりこの舞台がその後どうなっているのかが問題だ。
閉鎖するときは、三重の皇學館大学が購入すると言われていた。
しかし、諸般の事情によってこの話は白紙に戻り、
その後この舞台についての話は一切聞かなくなった。
そこで、熱田神宮へ行ったついでに
どうなっているかをチェックしてみることにした。

もしかして取り壊しされていないかと心配したが、
建物はちゃんと存在していた。
が、びっくりな状態だった。
それは、どこかの建設工事の現場事務所になっていたからだ。
熱田神宮内で何か作っているのだろうか。
建物の前には足場資材がうず高く積まれ、
職人さんが出入りしている。
もちろん、中へ入れるような状況ではない。
内部はどうなっているのだろうか・・・。

実は、能管の仲間で熱田神宮能楽殿を見学してみたいと考えていた。
でも、この状況では・・・。

私の友人にお店を経営している人がいて、
その店には熱田神宮の職員がときどき来ていると聞いた。
そこで、友人に頼んで能楽殿のことを聞いてもらったところ、
「今は倉庫兼事務所として使っているから入れない。見学なんて絶対無理!!」と言われたという。
やっぱり、今は工事の現場事務所として使われているのだ。

建物はともかく、あの舞台があのまま朽ちていくのは惜しい。
あの大きさだと個人での入手は無理だし、
どこかの団体なり自治体なりが能舞台を建設するときに引き取ってもらえるのが一番なんだが・・・。
現在、名古屋城の本丸御殿を再建中だが、
元々本丸御殿内には能楽殿があったと聞く。
そこへ組み込んでもらうとか・・・無理かな。
誰か引き取り手が現れることを切に祈る。

0 件のコメント: