2011年10月11日火曜日

知人が入門(能管 藤田流)

私が稽古に通っている能管の竹市先生のところへ知人が入門した。
仲間が増えることは嬉しい。

私は祭囃子→能楽というルートを通っているので
実は能楽のことはあまり詳しくない。
そもそも音を楽しむ派だから、能の舞など所作のことは全く分からない。
しかし知人は能楽愛好家でいろいろとかなり詳しい。
すでに大皮(大鼓)も某先生の下で稽古しているとか。
で、先月の私の稽古を見学し、そこで我が師匠に入門申込をして
今日が初めての稽古日だったのだ。

笛は東京の武蔵野楽器で購入したらしい(樹脂性の能管)。
ここは和楽器では有名な店で、とてもゴージャスな感じだとか。
彼は直接購入しに行ったそうだが、
素人が行くのははばかられる雰囲気だったと言っていた。

さて、稽古の最初は「お調べ」を習う。
これは、プロでも舞台へ出る直前に吹く曲で、
普段稽古するときもまず最初はお調べを吹くことになっている。
お調べは笛の調子をチェックするためにも使う曲で、
プロの世界でも
笛の能楽師がお調べを吹いているときに他の能楽師も自分の楽器の調子を見るために自分の楽器を打つ。

私はすぐ音が出たクチなので、
稽古初日からお調べを全て教わった。
しかし、彼は笛の経験が無かったらしく
お調べは途中まで習って終了時間となった。
音を出すのにかなり苦労していたからだ。

能管を吹いたことがある人は分かる(当たり前)が、
リコーダーのように息を吹き込めば音が出る仕組みにはなっていない。
相性もあると思うけれど中々音が出ない人がいる。
これが笛愛好者が増えない原因だと個人的に思っている(他の楽器はとりあえず打てば音は出る)。
そして、同じ指を押さえて高い音と低い音を出すというところも慣れが必要。
初心者には難しい部分だ。
それに、祭のお囃子は強弱をあまり付けないが
能楽囃子はかなり強弱をつける。
強い吹くところは思いっきり吹けと言われるが、
この点も難しい。
私は長距離選手なのにすぐ息が切れて疲れてしまう。
1回30分の稽古で結構ヘトヘトになる。
指先がしびれてくることもある。

彼もいずれこの苦しさを味わうだろう。
でも、やっぱり笛が好きだから続けられると思う。
稽古に通うことができるかぎり続けていきたいし、
笛の稽古してみたいという人がいたら迷わず我が師匠を勧めたい。