2011年6月18日土曜日

図書館とカビの戦い

多くの人はあまり知らないと思うが、
図書館の本は結構カビに侵されている。
特に、革や布で装丁してある本はカビが生えやすい。
この時期は館内の気温も湿度も高くなりがちなので
図書館はカビが生えやすい環境になる。
革や布で装丁してある本は結構高級な本が多いから、
そういう本が多い大きな図書館(県立図書館とか大学図書館、
専門図書館など)の方がカビの被害に遭いやすいかも。
ただ、どの公共図書館でも貴重書はあるから、
それらが収蔵されているいる書庫は危険かもしれない。

最近は経費節減という名目のもと、
いろんな図書館でギリギリまでエアコンが入らない。
雨が降っているのに窓・自動ドアが全開の某図書館まであるくらいだ。
雨の日に窓を開けるということは館内に湿気を呼び込んでいることであり、
カビが生えやすい環境を率先して作っていると言える。

一部の図書館利用者の行動も問題だ。
図書館内でこっそりお菓子(飴やガムを含む)を食べたりジュースを飲んだりしている奴がときどきいる(特に中高大生!)。
これをやると本が汚れ、館内も汚れ、
それがカビ増殖の栄養素となる。
だから、図書館内では飲食してはいけないし、
借りた本を読むときも飲食しながらはご法度だ。

一度カビが生え始めると根絶するのは難しい。
胞子が室内全体に広がるし、根もしっかりと張ってしまうからだ。
本はきちんと棚に並んでいるので、
ミカンのカビと同じで隣の本へ次々と伝染していく。
で、胞子が館内を浮遊し、
いろんな部分へ付着して増殖していく。
もうこうなると専門業者に依頼して、
図書館ごとクリーニングしてもらうしか手がない。
だから、図書館は湿度と温度をある程度の範囲に収めるように一日中空調を入れておく必要がある(自然の状態でも問題ない温度と湿度なら空調は必要無し)。
日本で一番大きな図書館である国立国会図書館のホームページにも
本に生えたカビとの戦いについて記した項目がある。
そこに書いてあるカビ防止法は、
 「カビの発生防止において最も重要なことは、環境の管理である。
 適切な環境管理を行わないかぎりカビは再発する。
 相対湿度60%未満であれば、カビの発生を防ぐことができる。
 環境管理には、水分のコントロールをはじめとする適切な温湿度の維持、
 空気の循環、清掃、定期的点検による早期発見といったことが含まれる。」
とのことだ。

今のところ、公共図書館・大学図書館ともに
年中無休で空調を入れているところは少ないのではないか。
ということは、どんな図書館も結構カビだらけだということだ。
これは利用者の健康にも関係する由々しきことだから、
経費節減と言っている場合ではない。
特に、子どもや体の弱い人の方がカビによる健康被害を受けやすいと考えられる。
これはあまり知られていないことだから、ここで声を大にして言いたい!
図書館を健康で安全に利用できるよう、
カビが生えにくいように年中無休で空調を入れて欲しい!!!
確かに節電は大事なことかもしれない。
しかし、それより市民の健康と資産(図書)を守ることの方が大事だ。
行政の長や地元選出の代議士、大学の経営者などは本のカビ発生の様子を実際に見て欲しい。
きっと驚くはずだ。

4 件のコメント:

いさ さんのコメント...

ほう、そう言う理由があったのか。
先日、隣に山車のある図書館行ったら改装中なのにエアコンがガンガン効いていて驚いた!
そんな事を知らないから電力の無駄遣いだと思ってしまいました。

しゅう さんのコメント...

カメラのレンズもカビが生えると大変です。
ソコだけぼやけてしまいますので・・・
クリーニングしてもらえますが、本と同じように、また生えてくることでしょう・・・

いずれにしても、どんなものも大切に扱わないといけないですよね。

F氏 さんのコメント...

いささま>
そうなんです。カビが凄いんですよ。あまりにひどくなると業者が防護服着てカビ取り作業しないとダメな状態になってしまいますからねぇ~。できればエアコンは使わない方がいいのですが・・・

F氏 さんのコメント...

しゅうさま>
カメラのレンズも危険ですよね。わが友はレンズ用の収納庫(温度と湿度を管理できるらしい)を持っていました。