2009年3月12日木曜日

名古屋能楽堂 ワンコイン・コンサート



我が師匠も出演する名古屋能楽堂主催のワンコイン・コンサートへ行ってきた。
若手能楽師が5人も出演するのになぜチケットが1枚500円なのか師匠に聞いたところ、
能楽堂が毎年500円で行っているイベントだから、との回答。
ちなみに昨年のワンコイン・コンサートはクラッシックだったらしい。
能舞台でクラッシック・・・。

さて、会場は18時半。
そんなに混んでないだろうとタカをくくっていたら、なんとメチャメチャ混んでいた。
私は18時25分に能楽堂へ到着したが、
既に長蛇の列。
こりゃ良い席は取れないな~。
私にとって良い席とは、舞台の左の目付け柱の正面あたりの前から7~8列目くらい。
ここだと、柱に邪魔されて見えない部分が一番少なくて、舞台が良く見えるから。
あまり前だと舞台の奥が見難いのだ。
今日は希望より後ろの席になってしまったが、大体目付け柱の後方だったので
まあ良しとしよう。

席は、大体9割以上は埋まっているかな。
今回は囃子が中心ということで脇正面は使えないようになっていた。
前の方を見ると、中正面の前の方の席に何やら見覚えのある人が・・・。
チャックだ!
いつもの通りバンダナ巻いて帽子かぶっていた。
祭だけではなくてこんなところまで来るとは!!
でも、知り合いじゃないから知らん振り。


出演 : シテ  梅田嘉宏(観世流シテ方)
      笛   竹市学(藤田流)
      小鼓  船戸昭弘(幸清流)
      大鼓  河村眞之介(石井流)
      太鼓  加藤洋輝(観世流)

演目 :  囃子「真之来序」~「楽」
      一調「小塩」
      舞囃子「熊野」村雨留
      囃子「音取置鼓礼脇」
      舞囃子「高砂」八段之舞

司会はこの中の最年長である河村氏が行う。
いつもより緊張しているみたいだった。
能楽師が司会・解説をしながら演奏することなんかあまりないので
緊張するのだろう。
その上、今日は若手5人だけでやる予定だったのに、
梅田嘉宏氏の師匠の梅田邦久氏が
5人ではできんだろう、と言って出演することになってしまったから。
大御所の登場で余計に緊張気味だったのかも。
でも、確かに仕舞の場面では別の人が謡をやった方がいいので、
地謡がいる体制がとれて結果としてはよかったかな。

演奏は全体として良かったのでインプレッションは省くとして、
相変わらず客の中にマナーが悪い人が多くて残念。
携帯の着信音はピロピロ鳴るし、
私の隣の席のオヤジなんか1曲目が終わる頃から寝る体勢に入ってグ~グ~言ってうるさいし。
極めつけは、最後の演目が終わって舞台にまだ出演者がいるのに帰る奴が続出したこと。
今回は能では珍しくアンコールで「早笛」をやってくれたのに、それでも帰る奴がいるし。
まあ、遠方から来ていて電車の時間が気になっている人はしょうがないとしても、
そんなにたくさんの人が遠方から来ているとは思えない。
しかも、終わったのは20時半より前なので電車は余裕であるし。
演奏以外の点で残念なことが多かったな。

でも、このような企画は面白いのでまた開催して欲しいなあと思う。
そのときは500円ではなく適正な料金に戻していただいて。

2009年3月8日日曜日

名古屋国際女子マラソン

今年も名古屋国際女子マラソンの審判をした。
が、今年は審判生活の中でもワースト1だと言い切れるほど疲れた大会だった。

スタート時間は12時15分なのに、大会役員の集合時間は早い。
私は走路員係を委嘱されているので8時30分が集合時間。
走路員係とは、選手が走る走路に立ち、自分の受け持ち区間において
沿道の方が走路へ出ないように注意したり、選手を妨害したり援助したりする人がいないようチェックする仕事をする審判だ。

念のために8時過ぎに到着するように家を出る。
8時半過ぎに走路員係の主任が来ていろいろと資料を配布するので受け取る。
9時、走路員係でまだ来ない人がいる。
それが事件の1つ目。
走路員係の下には大抵40人ほどの補助員がつく。
補助員は走路員係が指示する位置に立って観衆整理をする。
だが、来ない走路員がいるとその下にいる40人が途方にくれてしまう。
それは、補助員は担当の走路員係の指示がないと何をしていいのか知らないからだ。
今回は他の仕事をしている人が掛け持ちで対応して何とかなりそうだ。

走路員係は予め決められた所定の位置へ10時くらいまでには行かねばならない。
だから、補助員に基本的な説明と注意事項を確認した後、
専用バスに乗り移動する。
そして、担当する場所を全員で確認して
選手の通過予定時刻の30分前に所定の位置に着くことを確認して一旦解散。
この段階で10時20分くらい。
あ~暇だ。所定の位置に着くのは12時10分くらいなので
それまでの待機時間が長すぎる。
と毎年思っているので、今年は本をじっくり読むことにする。

集合時間になって所定の位置に着く。
走路員は補助員各位がいるかを確認し、設置する看板などをチェック。

パトカーがやってきて道路の規制開始。
その後、大会をアナウンスする車がきて、
間をおいて大会関係者の車やテレビ局の車が通過し、
先頭ランナーが私の背中の後ろを走り去っていく。
当初の天気予報と違って今日は晴天となり気温も高め、
選手は辛いだろう。
選手たちを見るとみんなテレビで見るときより小柄に見える。
今回優勝した藤永選手は170cm、途中棄権した大南選手は167cmと大柄だが、
それでも小さく見える。
理由はレースに向けて身体を絞って体重を落としているからだ。

沿道の観客は昨年より若干少ないが、例年よりは多い。
目当てはもちろん高橋尚子だ。
その高橋尚子は先頭から送れてやってきた。
昨年は青い顔をして走っていたが、
今年はTシャツを着てにこやかに手を振りながら走っていた。
精神的な重圧から開放されるとこれほど表情も変わるんだとつくづく思う。

ここで、2つ目の事件が発生。
詳細は書かないが、理不尽で耐え難いものだった。
おかげでかなり気分が沈んでしまった。
が、以前の職場で上司だった方が観戦に来てくれていたのでかなり助かった。
その後にいろんな話をすることがで気分を紛らわすことができたからだ。
聞いた話も興味深いものばかりで、神妙な気持ちになるものもあった。
この方と一緒に働いたのは3年か4年ほどだと思うが、
今でもこうしてお付き合いいただけるのは大変嬉しい。
また、忙しいこの時期にわざわざ出かけてくれるのはありがたいことだ。

今日は女子マラソン大会のことより、人とのつながりについていろいろ考える1日だった。

ところで、高橋尚子は復路も手を振りながら通り過ぎていった。
42キロずっと手を振っていたのだろうか?